こんにちは、院長の谷内です。暖かくなってきて桜も咲きましたが、あいにくの雨で今年のお花見はおあずけになりそうです。
気温が暖かくなってくると昆虫の活動が活発になり、外部寄生虫・内部寄生虫の予防が重要になってきます。いままで予防しなくても平気だったという飼い主様も、お暇があれば読んでみてください。
①フィラリア症:蚊が媒介する寄生虫で、猫ちゃんでは主に肺に寄生します。猫ちゃんはフィラリア症に感染しにくい反面、感染した場合に重篤な症状を出しやすい傾向にあります。症状は食欲不振、沈鬱、体重減少などのはっきりしない症状や、咳・喀血・呼吸困難・運動失調・突然死など多岐にわたります。診断は難しく抗体検査・抗原検査・レントゲン検査・心臓超音波検査を複数回に渡って実施します。猫ちゃんの体内では少数しか寄生していないため陰性でも感染を否定できない厄介な疾患です。治療も虫が死んだ時に肺に強い傷害が出るため、ステロイドを使用しながら慎重に行う必要があります。
②ノミ:お外に行かない猫ちゃんでも玄関からノミが入ってきて繁殖する場合があります。ノミの吸血による貧血は比較的稀ですが、ノミアレルギーといった痒みの強い皮膚症状が出ます。また、毛づくろいをすることでノミの飲み込んでしまい、ノミ体内に寄生している瓜実条虫が感染してしまうことがあります。治療は難しくなく、ノミも瓜実条虫も駆虫薬を使用することで駆除できます。ここで厄介なのはノミや瓜実条虫の病原性というよりは人にも感染するからです。部屋で繁殖してしまった場合は特に厄介で、猫ちゃんを他の場所に移動させてからくん煙剤を炊かなければいけません。人が咬まれた場合もかなりの痒みを起こすのでお気をつけください。
③マダニ:脱走癖があったりお散歩に行く猫ちゃんでなければ神経質になる必要はありませんが、マダニが媒介するウイルスは様々な種類があり、命にかかわるものも多く報告されています。マダニに咬まれた猫ちゃんに咬まれて人が死亡するケースもあります。吸血中のマダニは嘴が皮膚に鍵のように刺さっており、無理やり取ろうとすると嘴だけが残ります。この嘴によってアレルギーが発症したり、傷口がなかなか治らないことがよくありますので、必ず動物病院につれてきてください。
当院では滴下タイプの駆虫薬を主に扱っています。(ノミに関しては経口薬もあります。)1ヶ月に1回のものから、3ヶ月に1回で済むものもありますので、猫ちゃんので性格に合わせてお選びいただければと思います。
市販のノミ予防薬とは何が違うの?:市販のものはいわゆる殺虫剤で哺乳類が摂取すると神経症状などの副作用を起こすリスクが高いと言われています。病院で処方される予防薬は基本的には節足動物(昆虫や寄生虫など)にしか効かない成分でできています。安全性試験では5倍量を滴下しても大きな副作用は観察されません。たまに皮膚が赤くなる猫ちゃんもいるので、その場合は違うメーカーの予防薬に変更しましょう。
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